忍者ブログ

畳上生活 河村畳店ブログ

島根県大田市温泉津町の畳店がお届けする畳に関するいろいろ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

湿度と"建材としての畳"の特性について

久しぶりの更新です

今回の記事は
普段仕事をしてきて、感覚的に感じていることですので裏付けるデータなどがなくて申し訳ないです

日本の家屋、こと山陰の家屋は湿気による損傷のリスクが付き物です
加えて近年、
①住宅性能の変化
②ライフスタイルの変化
などの要因で湿度に関するトラブルが増えています

①については
住宅の高気密化・・・つまり室内の密閉性が高まったことと建材の変化が挙げられます
従来日本住宅の部屋は密閉が不完全で隙間風が出入りし、
襖や障子などいくらかの通気性がある素材で仕切られていました
ところが近年では冷暖房効率を上げるため、高気密のサッシや断熱材で部屋を囲み
”自然通気”が無くなったため換気扇を設置したりしています

そして建材も土壁、障子、襖、木材の湿気を出し入れすることができる素材から
石膏ボード、壁紙、ドア、フローリングなどで囲まれ、建材が湿度を吸収しにくく変わってきました

湿気には大きく2種類あります
一つは天気予報などでもおなじみの外気の湿気、
もう一つは人が生活することで生じる湿気です
炊事などで発生する湿気、お風呂などの湿気、人体からも常に湿気が放出されています

これらの湿気を湿度の高いときには吸収し、湿度が下がると放出する
吸湿性の素材が住宅から減っているのです

床下についてもバリアフリーに対応するため床高が低くなり通気が悪くなったり、
通気口が少なく湿度がこもりやすくなる住宅を目にします

そして②について
夫婦共働き、あるいは核家族化などで日中家に人がおらず、
窓を開けて換気をする機会が少なくなっています
エアコンの普及で換気の必要が少なくなり、窓を開ける習慣がない人もいます

前置きが長くなりましたが、このようなことで室内の湿度が飽和状態になることが
よくあります
結果、極端な場合は結露やカビの発生を招き、建材の痛みを早めたり、
健康に影響が出たりしてきます

ようやく畳の話です
湿度は部屋の下側にたまる傾向があります
床面にある畳はその湿気を引き受けます
畳の表面は基本的には藺草でできた畳表がついています
この藺草、吸湿性に大変優れています
畳表をほぐして草一本一本の状態にするとよくわかるのですが
湿度の高い時期、工場の床に藺草があるとパンパンに膨らんで
湿気を吸収しています
畳床にも湿気を吸収する力があります
稲わらを原料とした畳床にはかなりの湿気を吸収し、吐き出す力があります
現在主流の建材床(木質ボードと断熱材が原料)にもいくらかの吸湿性がありますが
実は放湿性がやや劣っています

かつては土壁、木、障子襖と協力し部屋の湿気を吸ったり吐いたり、住む人に快適な
湿度にしていた畳ですが
現在では実質吸湿型建材は畳だけという部屋も少なくありません
この状態では畳は部屋の湿気を吸収しきれず、
換気が不十分な状態では湿気を吐き出しきれません
すると充分な水分を含んだ自然素材である畳はカビにとって最高の培地となってしまいます

また、建材床を使用した畳では湿度の負担は畳表に一手にかかることになります
高級品ではありますが稲わらを使用した畳床をおすすめします

また、畳がなくても同じことです
湿気は家屋のわずかな吸湿性の素材に集中し、木部、家具、衣類、布団、紙類などが
累積する湿気の影響を受けてくることになります

これからの時期、梅雨に入ってくると湿度はどんどん上がります
とにかく晴れた日には換気をし、雨の日には窓を開けないこと、
布団を出来るだけ干すこと、
エアコン、扇風機などを利用して住宅の素材から湿気を取り除くことが必要です

最近ではこうしたことを考慮した住宅設計も増えています

健康で快適な住まいを長持ちさせるには住まいの素材を理解し、付き合っていただきたいとおもいます

PR
Comment
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメントの修正にはpasswordが必要です。任意の英数字を入力して下さい。